RR2T125/200
格段に進化したスモールロケット
モデルチェンジしたRR2T125のエンジン。クランクケースの設計から見直しています。
自分はオフロードマシンの開発に関与してきた経歴もあって、各部の調整による効果は理解しているつもりです。だから23年式のRR2T125がクランクのカウンターウェイトを小さくしたという話を聞いたときに、きっと軽く回るんだろうなと思ってしまっていました。ところが実際乗ってみるとそういったフィーリングではなく、全体的にトルクが出ているように感じて驚きましたね。特に5000~6000回転くらいの回転域がとても力強く感じます。ワンランク上の力強さですね。そのくせ、そこから高回転までキレイに回転数が上がっていくんです。今年はRR2T200で全日本に参戦していたのですが、来年はRR2T125もありかな?
って一瞬思っちゃったほどです。
イオックス・アローザのコースは上りが多くて125ccには難しいようなセクションも多いのです。去年モデルでは高回転域を使うととても力強く上っていくのですが、パワーバンドを外したくないので頻繁にギヤチェンジする必要がありました。今年のエンジンはそういった神経質なところが無くなっていてギクシャクせずにスムーズに走れます。上級者向けだったエンジンが、だいぶエントリーユーザーに対しても優しくなった印象です。
Betaの125ccは車体が小さいところも魅力の一つですね。操安性に優れているから速いスピードでコーナーに入っていったときにすっと倒せます。エンジンのトルク感が上がった影響もあって、昨年モデルよりもさらに小柄に感じます。サスペンションも好印象でしたね! 楽しく乗れるバイクというコンセプトに合っていて、低中速域でのサスペンションの動きがとてもスムーズ。コツコツするような感覚は皆無です。スピード域が高くなるとスタンダードのザックスサスペンションでは対応しきれないんですが、今日のイオックスアローザのコースでは限界まで使うことは無く、対応しきれないようなシーンもありませんでした。だいたい70~80km/hくらいのペースで飛ばしても破綻することはないですから。
RR2T200は昨年の外装・サスペンション以外を継承したモデルで125がベースになっています。先述したとおり僕が全日本エンデューロ選手権に参戦していたバイクなのですが、こちらは125よりも250寄りのバイクですね。125のように回して乗れないけれど、250ではパワーがありすぎるというような、125よりもビギナー向けと言えるかもしれません。
200ccのエンジンは美味しいところが低中速にあるので、早めにシフトアップしていくことが車速を伸ばして走るポイントです。乗り始めは小排気量車なのでとにかく回して高回転をキープするように走っていたのですが、シーズン後半に排気量に合わせるよりもエンジンのキャラクターにあわせた走り方をするほうが速く走れるんだと気づいたんです。僕自身は4スト450に乗っていた時も、RR2T300に乗っていたときも低中速のトルクが乗ったところをうまく使いながら走ろうとしてきたので、RR2T200にマッチしていたんですね。決して僕が乗ったからと言って上級者向けというわけではありません。むしろいろんな人にマッチするマシンだと思います!
排気量が大きくなっている分、125と車体が同じなのに受ける印象は違ってきます。125はバネ下の軽さを強く感じますが、200の場合はどちらかというとどっしりしているような印象を受け、安定して走れるフィーリングですね。たとえばギャップで跳ねられながらコーナーに入るような時、125よりも200は暴れづらいように感じます。角がとれて丸くなってるような、そんな印象ですね。実際には車重も変わらないので本当に印象だけですが。 |